トルコの案件を壊すのは、たいてい価格ではありません。デューデリジェンスで表に出る、売り手自身も存在を知らなかった負債です。
デューデリジェンスで頻出する論点
退職金引当。 法定帳簿では支払時に認識されていることが多い一方、買い手は数理計算による引当を見たいと考えます。中堅規模の会社であれば、その差額は交渉に直接影響する水準になり得ます。
移転価格。 関連者間取引があり文書化がなければ、それは更正リスクです。買い手は価格から差し引くか、補償・エスクローを求めます。
付加価値税のポジション。 繰越VATは資産のように見えますが、回収可能性は別の問題です。
労働法。 有期契約の不適切な利用、時間外手当の不足、下請関係が仮装と評価されるリスク。いずれも簿外であり、発見が最も遅れがちです。
会社法上の不備。 未登記の持分譲渡、開催されていない株主総会、決議簿の空白。クロージング前に是正する必要があり、時間がかかります。
売り手側の準備
売却を検討する会社にとって最も投資対効果が高いのは、買い手が来る前に自ら行うデューデリジェンスです。同じ論点が表に出ますが、交渉の席ではなく、まだ是正できる時期に出ます。
買い手が見つけた問題は価格から差し引かれます。売り手が先に見つけて解決した問題は、単なる費用で済みます。
ストラクチャー
株式譲渡か、事業譲渡か。株式譲渡では、会社は過去とともに引き継がれます。事業譲渡では過去の債務は原則として残されますが、税務・労働法の両面で手続きが複雑になり、従業員の移籍は別途検討を要します。
トルコでは一定の基準を超える取引に競争庁の承認が必要で、承認前にクロージングはできません。この期間は案件スケジュールに最初から織り込むべきです。
クロージング後
統合計画のない案件では、価値はクロージング後の最初の1年で失われます。会計方針の統一、報告カレンダーの確立、キーパーソンの維持は、取引そのものと同じくらい結果を左右します。
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