- 全体の標準的な所要期間
- 約12週間全体の標準的な所要期間
- 並行ワークストリーム
- 3並行ワークストリーム
- 就労許可に必要なトルコ人従業員比率
- 5:1就労許可に必要なトルコ人従業員比率
課題
会社形態を決める前に生産開始日が確定してしまい、設立・奨励制度の登録・採用・初回給与計算までに残るのは約一四半期。通常はこれらを順番に進める。
当社の対応
設立、投資奨励の適格性判定、SGK(社会保険)事業所登録を並行ワークストリームとして立ち上げ、就労許可は従業員数に依存するため、現地採用を外国人就労許可申請より先に置く。
成果
生産開始日より前に会社が稼働し、法令に適合した給与計算が回る。地域投資奨励証明も後追いではなく事前に取得済み。
決め手は書類ではなく順序
トルコでの会社設立自体は遅くありません。定款を公証し MERSİS 登録を済ませれば、有限会社(limited şirket)は商業登記所で数日のうちに登記できます。一四半期を要するのは設立の周辺で起きることと、その順序です。
順序を決めるのは三つの制約です。
- 就労許可は従業員数に連動する。 労働・社会保障省は原則として、同一事業所において外国人従業員一名につきトルコ人従業員五名を求めます。現地採用より先に外国人工場長の申請を出せば、時間でしか解消できない要件で不許可となります。
- 投資奨励証明は将来に向かってのみ効く。 投資奨励証明が対象とするのは証明発行後に発生した支出です。先に発注し後から登録した機械設備は、関税・付加価値税の免除の対象外となり得ます。
- SGK 登録は「リードタイム」ではなく「期限」の問題。 事業所届出は最初の従業員が就業する日までに提出しなければなりません。前倒しして余裕を作ることはできず、遅れれば、まだ一件も請求書を発行していない会社に過料が課されます。
ワークストリームの重ね方
第1〜4週:設立。 定款はひな形ではなく実際の持分構成と代表権に合わせて起草し、公証、必要に応じた資本金のブロック、競争庁分担金の納付を行います。続いて商業登記、商工会議所登録、税務署登録、署名証明書。外国人株主はその前提としてトルコの納税者番号が必要です。
第2〜8週:奨励制度(並行)。 地域区分と業種は相互に作用します。同じ投資でも、地域が違えば法人税減免や社会保険料補助の水準が変わります。この判定は立地確定後ではなく確定前に行います。金額的影響が最も大きい変数が立地だからです。
第4〜10週:人。 まず現地採用を進めます。SGK 事業所登録を行い、雇用契約は本社ひな形の翻訳ではなくトルコ労働法に基づいて作成し、給与計算は正しい最低賃金と保険料率で設定します。比率要件を満たせる段階になってから外国人就労許可を申請します。
第8〜12週:運用開始。 初回給与計算、初回の源泉・社会保険統合申告(Muhtasar ve Prim Hizmet Beyannamesi)、初回付加価値税申告。e-Fatura(電子請求書)と e-Defter(電子帳簿)は最初の請求書の後ではなく前に整えます。
よくある失敗
着手が遅れて当社に来る案件で最も多い二つは、機械が到着してから奨励証明を申請していたケースと、外国人管理者を先に雇用したために就労許可が不許可となったケースです。いずれも作業を速めても取り返せません。いずれも、最初に順序を決めておけば避けられます。
